記事 : 情報ブロードキャスト メディアの行く末

●最近の地上波テレビはくだらない番組が多いと思っていたら、この記事でその理由が分かりました。情報は意識して 「取りに行く」時代だそうです。
以下記事全文

◎先週末、Microsoft BI Conference を無事終了しました。お台場という寒くて不便な場所にも関わらず、大勢の方にお越しいただき、また最終セッションまで残っていただき、誠にありがとうございました。ZDNETさんも今回はしっかりとした記事を書いていただいてありがとうございます。複数のメディアに掲載いただきましたが、一様にポジティブな記事で、大変うれしい限りです。しかし、製品発表会という最大の山場を過ぎて、ようやく落ち着けるかと思いきや、私がイベントから解放されるのを待っていた社内外の方から山のように仕事が ・・・なんだよ、もっと忙しくなったじゃないか。年内はあきらめるしかなさそうです。
さて今回はメディアのお話。といってもZDNETさんはじめとするインターネットメディアではなく、地上波テレビのことです。
最近地上波テレビ番組の質が低下しているように思うのは、気のせいなのか歳のせいなのか?特に意味のない言葉を連発するコメディアンの面白さを理解できないのは歳のせいかもしれません。でもそれだけじゃなく、ニュースにしてもスポーツ中継にしても、なんだか薄っぺらな感じが気にかかるようになってきました。核心に切り込む質問力がなく 「・・・と言われていますが。」って質疑応答の主導権を簡単に放棄してしまうインタビューアー。実業に就いたこともない左翼系キャスターが無責任に言葉をばらまいている、もはやバラエティとしか思えないニュース番組。先日バレーボール中継、ひどかったです。国際試合なのに変な DJ みたいなのがスピーカー音声で応援していいのか?フィギュアスケート中継もひどかったなあ。アナウンサーが気持ち悪いポエムのようなキメキメ台詞の大安売り。カメラワークも最悪、スケートなのに足元映さないで顔アップ、100年に1度の超天才フィギュアスケーターに対して大変失礼極まりない。国際映像と比較すると余計にその間抜けさが際立ちます。なぜにこんなにも低いクオリティが許されてしまうのでしょう?
民放はスポンサーの圧力を受けます。スポンサーは視聴率に対してお金を払うわけで、つまりその低レベルの番組は、視聴者が求めているものだということになります。では視聴者のクオリティが低くなったのでしょうか?
かつては、地上波テレビが最新の情報を効率的に伝える最有力メディアでしたが、ネット上の情報量が増えるに従って、その優位性が薄れました。今やニュースの 「新さ」 や 「解釈の多様さ」 は、時間と場所に制約されるテレビに求めなくなり、「エンターテイメント性」に存在意義を見出すしかなくなった。しかし、ケーブルテレビやVODなどが普及すると、専門性や適時性ではかなわなくなる。それに画質を気にしなければ YouTube で様々な映像情報を入手できますし。結局地上波テレビはできるだけ多くの人がひとまず楽しめそうなレベル感に落ち着く意外に手はなく、くだらないものばかりが残ることになったのでしょう。インターネットが殺したのは新聞などの活字メディアではなく地上波テレビのようです。活字メディアには地上波テレビよりも受け手にも作り手にも時間が与えられており、よりクオリティを追求することでネットとの共存の道が開けます。地上波テレビは共存というより棲み分けるしかない。
すると、地上波デジタル放送に移行する価値ってどのぐらいあるのでしょうかね?都市部ではケーブルテレビが普及してきていますし、衛星チャンネルだってある。私自身、最新ニュースの情報源は主にインターネット、家ではテレビを見ますが、たぶん 9割がたケーブルですね。よく分かっていない司会者が無理やりコメントするような報道バラエティを 1時間我慢して見るぐらいなら、時間や場所に制約されないインターネット上のニュースサイトを非同期に眺めていったほうが効率的。新聞社系なら左から順に朝日、毎日、日経、読売、産経でしょうか。それぞれどういう立場の人たちなのかを理解した上で見れば、より真実に近づけます。大きなニュースならば海外サイトもチェック。
今や情報はあふれるほど存在しており、受け身の姿勢では正しい判断や意思決定はできません。情報は意識して 「取りに行く」時代なのです。個人も組織も、これに抵抗する術はありません。夜10〜11時台の報道バラエティでいまだにご贔屓のキャスターの一言にフムフムうなずいているあなた、そろそろ気をつけたほうがいいですよ。※ZD net